
うちは小さいから顧問弁護士は大丈夫、トラブルが起きたときに頼めばいい、と思っていませんか?
中小企業にとって顧問弁護士が必要な最大の理由は「法的リスクの予防」と「迅速な問題解決」
中小企業では、法務専門部署を持たないことが多く、契約や労務、取引、クレーム対応など、経営者自身が法的判断を迫られる場面が少なくありません。
近年、企業が遵守すべき法規制は、複雑化・厳格化しています。
代表的なものだけでも、次のような法改正がなされています。
① 2020年4月1日から中小企業にも時間外労働の上限規制が適用された「働き方改革関連法」
② 2022年4月に中小企業にも義務化された「パワハラ防止法」
③ 2026年1月1日に下請法(取適法・中小受託法)により、従業員数基準の導入、特定運送委託の追加、価格協定の義務化などが導入されます。
④ 2026年4月1日に子ども・子育て支援法により、子ども・子育て支援金制度の導入に伴う子ども・子育て支援金の徴収開始(医療保険料と併せて徴収)などが予定されています。
これらは、中小企業の負担を増加させる法改正と言えます。 その際に誤った対応をしてしまうと、取引停止や損害賠償、労働紛争など、経営を揺るがす重大なトラブルに発展するおそれがあります。顧問弁護士がいれば、日常的な相談を通じてリスクを未然に防ぎ、問題が起きる前に適切な対応策を講じることができます。
また、顧問弁護士は企業の実情を継続的に把握しているため、単発の弁護士依頼では得られない「会社に合った助言」が可能です。
例えば、従業員への指導・懲戒、取引先との契約条件交渉、クレーム対応など、単なる法律論にとどまらず、企業の風土や業界特性を踏まえた実践的なアドバイスを行えます。 こうした日常的な関与が、経営判断のスピードと的確さを高め、企業の競争力向上にもつながります。
(近年は、SNS上の誹謗中傷やカスタマーハラスメントなど、法務リスクが多様化しています。
顧問弁護士はこれら新たな課題にも対応し、企業の「法的防衛力」を高めます。つまり、顧問弁護士は中小企業にとって「トラブル対応の保険」ではなく、「経営の安全装置」であり、安定した成長と信頼を支える重要なパートナーなのです。

中小企業における顧問弁護士の必要性 大企業とは違う中小企業ならではの役割
中小企業において顧問弁護士が果たす役割は、大企業とは異なり、経営の実情に寄り添った「経営パートナー」としての機能にあります。
大企業では法務部が内部に存在し、弁護士は専門的・限定的な助言を行うことが多いのに対し、中小企業では経営者自らが法的リスクの判断を担う場面が多く、日常的な相談相手として弁護士が果たす役割が非常に重要です。
中小企業では、契約書の作成・チェックやトラブル対応だけでなく、
・「そもそもどのような取引条件を設定すべきか」
・「従業員をどのように指導・処分すべきか」
・「クレームにどう対応すべきか」
といった経営判断に密接に関わる相談が中心となります。
顧問弁護士が日常的に関与していれば、問題発生前の段階で法的リスクを予防でき、後手の紛争対応に追われることを防ぐことができます。
さらに、労務トラブル、取引先との契約不履行、債権回収、SNSや口コミによる風評被害など、多様な問題に迅速に対応するための「総合リスクマネジメント」の中核として機能します。
顧問弁護士が継続的に企業の体質や組織文化を理解していることで、単発の依頼では得られない実効的かつ信頼性の高いサポートが可能になります。 したがって、中小企業にとって顧問弁護士は「法務部の代替」ではなく、「日々会社の経営を守る参謀」であり、継続的関与による予防法務こそが最大の価値といえます。
スポット依頼と顧問契約の違い
中小企業が弁護士に依頼する方法には、「顧問契約」と「スポット依頼(単発依頼)」の二つがあります。両者の違いは、弁護士との関係の継続性と、法的支援の範囲・深さにあります。
顧問契約とは、毎月一定の顧問料を支払い、継続的に法的助言や相談ができる契約形態です。
最大の特徴は、弁護士が会社の業務内容や組織体制、人間関係まで把握したうえで、日常的な問題に素早く対応できる点にあります。
例えば、契約書チェック、従業員対応、クレーム処理、取引条件の交渉など、経営判断に直結する助言を気軽に受けられます。
問題が「トラブル化する前」に相談できるため、予防法務を実現し、訴訟や紛争コストを大幅に削減できます。また、顧問契約には相談料や文書チェック料が顧問料に含まれることが多く、費用面でも計画的に利用できるという利点があります。
一方、スポット依頼は、トラブル発生後に個別案件ごとに依頼する形態です。
たとえば、解雇無効の訴訟、債権回収、損害賠償請求など、緊急性の高い案件で用いられます。
ただし、弁護士が会社の実情を知らない状態から対応を始めるため、事実関係の把握や方針決定に時間がかかり、結果として費用も高額になりがちです。予防的なアドバイスは受けにくく、「問題が起きてからの後追い対応」にとどまりやすい点がデメリットです。 (4) 総じて、顧問契約は「企業を守るためのパートナーシップ」、スポット依頼は「発生した火消し対応」といえます。特に中小企業においては、日常的に法務リスクを管理し、経営判断を支える顧問契約の方が、長期的に見てコスト面・安心面の双方で大きなメリットをもたらします。
費用、守備範囲(予防・事後)等
顧問弁護士の費用は、企業規模や業種、相談頻度によって異なりますが、中小企業の場合、一般的には月額3万円から10万円程度で設定されることが多いです。
顧問料の範囲には、通常、日常的な法律相談、契約書の簡易チェック、電話・メールでの助言などが含まれます。
これにより、経営者が気軽に相談できる環境が整い、トラブル発生前に適切な判断を下すことが可能になります。
より高度な交渉代理や訴訟対応が必要な場合には、別途報酬が発生しますが、顧問先には着手金や報酬金が割引される優遇制度を設けている弁護士事務所も少なくありません。
顧問弁護士の守備範囲は、大きく分けて「予防法務」と「事後対応」に分類されます。
まず、予防法務では、契約書の作成・修正、就業規則や社内規程の整備、取引先との交渉助言、労務管理やハラスメント対応の指導など、トラブルの芽を事前に摘む活動が中心です。
これにより、契約トラブルや労働紛争、コンプライアンス違反を未然に防ぎ、企業の信用と安定経営を守ります。
一方の事後対応では、万が一トラブルが発生した場合に、弁護士が迅速に法的措置を講じます。 たとえば、債権回収のための内容証明送付、労働審判・訴訟の代理、取引先との和解交渉、SNS・口コミによる風評被害の削除請求などが該当します。顧問弁護士が日常的に会社の状況を把握していれば、的確かつスピーディーな対応が可能です。
顧問弁護士の費用は単なる「相談料」ではなく、企業の法的安全網への「先行投資」といえます。予防と事後の両面から経営を支えることで、結果的に紛争コストや 信用失墜を最小化し、企業価値の維持・向上に貢献します。

中小企業における顧問弁護士のメリットと顧問弁護士がいない会社がかかえるリスク
中小企業にとって顧問弁護士を持つ最大のメリットは、日常的に発生する法的課題に迅速かつ的確に対応できる点にあります。
経営判断には契約、労務、取引、クレームなど法的リスクが常に伴いますが、顧問弁護士がいれば、トラブルになる前の段階で予防策を講じることが可能です。
契約書の作成・チェックを通じて紛争の芽を摘み、労務問題では解雇・懲戒処分の適法性を確認するなど、日常的な「転ばぬ先の杖」として機能します。また、経営者が抱える悩みを気軽に相談できることで、精神的な負担を軽減し、迅速な意思決定を後押しします。
さらに、顧問弁護士は企業の実情や人間関係を理解したうえで助言できるため、単発の依頼では得られない現実的・戦略的な対応が可能です。たとえば、取引先との紛争においても、単に法的主張を行うだけでなく、今後の取引継続や信用維持を考慮した解決策を提案できます。継続的な関与によって、企業の体質改善やリスク管理体制の構築にも寄与します。
一方、顧問弁護士がいない会社では、トラブルが発生してから初めて弁護士を探すことになり、対応が後手に回るリスクがあります。
法的判断を誤れば、解雇無効や損害賠償請求、取引停止など重大な結果を招くおそれがあります。
また、インターネット上の風評被害やクレーマー対応など、迅速な初期対応が求められる場面で対応が遅れ、被害が拡大する危険もあります。
顧問弁護士が解決する中小企業のトラブル
中小企業が日常的に直面するトラブルは多岐にわたり、その多くは「小さな火種」が放置されることで大きな紛争へと発展します。顧問弁護士は、こうしたトラブルの早期発見と解決において重要な役割を果たします。
労務トラブル
問題社員への注意・指導、懲戒処分、解雇などは、手続や証拠の不備があれば無効とされるおそれがあります。
顧問弁護士が関与すれば、懲戒事由の整理や文書作成を事前に指導し、労働審判・訴訟に発展するリスクを大幅に減らすことができます。
また、ハラスメントや未払い残業代請求など、従業員側からの申立てにも迅速に対応できます。
取引関係のトラブル
契約書の内容が曖昧なまま取引を進めた結果、納期遅延・代金未払い・品質クレームなどの紛争が生じることがあります。顧問弁護士は契約締結前にリスクを分析し、条項の見直しや契約書式の整備を行うことで、トラブルを未然に防ぎます。万一トラブルが起きた場合でも、内容証明や示談交渉など、法的に有効な手段で早期解決を図ることが可能です。
債権回収や風評被害対応
売掛金の回収を怠ると資金繰りに直結するため、法的催告や訴訟提起のタイミングを的確に判断することが重要です。さらに、SNSや口コミサイトでの誹謗中傷・虚偽投稿への対応も、放置すれば企業イメージを大きく損ないます。顧問弁護士は削除請求や発信者情報開示など、適切な法的措置を講じることで被害の拡大を防ぎます。
このように顧問弁護士は、労務・契約・債権・風評など、中小企業の経営を脅かすあらゆるトラブルの「初期対応と再発防止」を担う存在であり、法的安定性の確保と経営リスクの最小化に不可欠です。
福岡で顧問弁護士をお探しなら熊田法律事務所へご相談ください

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Last Updated on 11月 27, 2025 by kigyo-kumatalaw
この記事の執筆者:熊田佳弘 私たちを取り巻く環境は日々変化を続けており、様々な法的リスクがあります。トラブルの主な原因となる人と人の関係は多種多様で、どれ一つ同じものはなく、同じ解決はできません。当事務所では、まず、依頼者の皆様を温かくお迎えして、客観的事実や心情をお聞きし、紛争の本質を理解するのが最適な解決につながると考えています。どんなに困難な事件でも必ず解決して明るい未来を築くことができると確信し、依頼者の皆様に最大の利益を獲得して頂くことを目標としています。企業がかかえる問題から、個人に関する問題まで、広く対応しています。早い段階で弁護士に相談することはとても重要なことだと考えています。お気軽にご相談にお越しください。 |


