ECサイトでよくあるクレームを紹介!弁護士が行えるサポートについても解説!

ECサイトでよくあるクレームを紹介!弁護士が行えるサポートについても解説!

はじめに

ECサイトなどの通販のクレーム対応にお悩みではないでしょうか?

通販のクレームには、次のようなケースがあります。

  1. 販売品の欠品や不良、納期遅れに対してクレームを受けるケース
  2. 「誠意を見せろ」とか「謝罪に来い」というような過大な要求がされるケース
  3. 悪質なケースでは、嘘のクレームが繰り返されるケース

ECサイトなどの通販特有の問題もあります。

  1. 通信販売に適用される特定商取引法の規制に関する問題
  2. インターネット上のクチコミ投稿などによる悪影響
  3. 消費生活センターの介入と指導

不良品についてのクレーム対応

不良品については商品による怪我や健康被害などの損害が出ていない限り、不良品であったことをお詫びして良品を送れば法的な問題はありません。

しかし、クレームの中には、様々な事例があり、購入者が感情的に激高して、解決ができなくなることもあります。

不良品のトラブルがこじれてしまうと、購入者から「直接届けに来て謝罪しろ」と言われたり、それを断ると、「会社におしかけるぞ」と脅迫的な言動がされるようになり、問題がエスカレートするケースがあります。

感情的な要求や不当な要求は断ることがクレーム解決のスタート

要求がエスカレートした場合、通販業者の担当者が購入者に謝罪して、購入者の納得、了解を得ようとして努力しても、感情的な要求が繰り返されるだけで、購入者の納得、了解に至ることはできません。

法律上認められない過大な要求や感情的な要求については、購入者に納得、了解いただくことを目指すのではなく、要求への対応を断ることで、購入者に要求をあきらめさせることが必要です。

不当な要求は断る姿勢を示すことで、はじめて購入者と対等に話をすることができるようになり、クレームの解決が可能になります。

まずは不当な要求を断ることにより、「お客様と通販業者」という断ることが難しい関係から、対等の交渉相手という関係に切り替えることが必要です。

弁護士対応が適切なケースもあります

相手が激高して感情的に不当な要求をしてくるといったケースでは、弁護士にクレーム対応を依頼することも効果的です。

弁護士に対しても「お前じゃ話にならない」等と暴言をはくケースもありますが、弁護士であれば、感情的な部分には立ち入らず、毅然とした態度で暴言を控えるように求め、購入者と対等に話をすることが可能です。

このように、まずは、相手の暴言に対して毅然とした態度をとり、購入者との関係を対等に話ができる関係に戻したうえで、法律上認められないことを明確に伝えることが重要です。

そのうえで、購入者との間で適切な合意をすることでクレームを解決することが可能です。

納期についてのクレーム対応

納期遅れは、大きなトラブルに発展するケースがあります

納期遅れに対しては、速やかにお詫びし、納期遅れの結果、商品が利用できなかったようなケースについては返品・返金に応じる対応が必要です。

一方で、納期に遅れてしまっても、商品を購入者が利用する場合で、遅延による実害も生じていないケースでは、金銭的な賠償をする必要はありません。

不当な金銭要求は毅然とした態度で断ることが必要です。

通信販売に関する特定商取引法の規制に注意

特定商取引法で納期について以下の定めがあります。

ア 通信販売業者は広告の表示において商品の引渡時期を表示する義務があります (特定商取引法第11条)。

イ 商品代金の支払いを受けた後、商品の納品までに時間がかかるときは、納品の時期を書面で購入者に通知する義務があります(特定商取引法第13条)。

この点については、事前に利用規約などで、引渡し時期の通知を電子メールで行うことを定めたうえで購入時に購入者から同意を得ておけば、通知を電子メールで行うことも可能です。

これらの特定商取引法のルールに違反していると、購入者から消費生活センター等に苦情が持ち込まれた場合、センターから法令違反を指摘される可能性があります。

数量不足についてのクレーム対応

10個セットの商品などについて、1個足りなかったというようなクレームもあります。

購入者の主張が事実であれば、お詫びして足りなかった分を送ることになります。

ただし、同じ購入者が何度も数量不足のクレームを入れてくるケースもあります。

そのような場合は、購入者のクレームが虚偽である可能性を疑う必要があります。

こういった同一購入者から数量不足のクレームが続く場合、購入者への発送前に商品の写真撮影をしたり、ウェブサイトに顧問弁護士の氏名の表示とともに不当な要求については厳正な対処をすることを記載したことにより解決できる可能性があります。

欠品についてのクレーム対応

購入申し込みを受けたにもかかわらず、商品の在庫がなかった(欠品)という場合もあります。

欠品時の対応は、売買契約が成立したか否かで異なります。

購入承諾の通知をまだ送っていない場合

通販業者から購入者に対して購入を承諾する旨の通知をまだ送っていない場合は、売買契約は成立していません。

そのため、欠品についてお詫びすれば足り、お詫び以上の対応を要求された場合は断れば問題ありません。

すでにクレジットカードなどによる代金支払いが済んでいる場合は、支払ってもらった代金を返金することになります。

商品代金を受け取っているケースで購入を断る場合は、通販業者から、書面で購入申し込みを承諾しないことと受領した代金を返金することを購入者に通知することが義務付けられていますので注意が必要です(特定商取引法第13条)。

事前に利用規約などで、特定商取引法第13条で義務付けられる通知を電子メールで行うことを定めたうえで購入時に購入者から同意を得ている場合は、前記の通知を書面ではなく電子メールで行うことが可能になります。

承諾の通知をすでに送った場合

通販業者から購入者に対して購入を承諾する内容の通知(自動返信による承諾メールを含む)をすでに送っている場合は、売買契約が成立しています。

そのため、欠品により納品できないことは債務不履行になり、納品できないことにより購入者に損害が生じたときは、通販業者は購入者に対して損害賠償責任を負うことになります。

購入者が転売目的で商品を購入していた場合は、債務不履行による損害賠償責任として、転売できたら購入者が得られたであろう利益分についての賠償責任が生じる可能性があります。

購入者からの返金請求、返品への対応

購入者から返品に応じて代金を返金するように求められるケースについては、法律上返金が義務付けられるケースがあることに注意が必要です。

返金が義務付けられるケース

① 販売した商品に不良があり売買契約を解除された場合

② 返品不可などと表示をしていないケースで、一般消費者である購入者から納品後8日以内に購入を撤回され、あるいは契約解除された場合

特に、返品不可などと表示をしていない通販サイトでは、特定商取引法第15条の3に注意が必要です。

この条文では、一般消費者から納品後8日以内に購入撤回や契約解除された場合、販売者側の落ち度が全くない場合でも、消費者の送料負担で返品がされれば、代金の返金に応じなければならないことが定められています。

通信販売にはクーリングオフ制度の適用はなく、ECサイトやインターネット通販のサイトに記載すれば、不良などがない限りは返品不可とすることが可能です。

ただし、最近は返品可能とするサイトも多いので、返品不可とする場合は明確な表示が求められます。

返品不可とする場合の通販サイトへの表示の方法については消費者庁のガイドラインを参照してください。

返金の義務がないケース

一方、以下のようなケースでは返金の義務はなく、返金に応じるかどうかは通販業者の判断になります。

① 販売した商品に不良がなく、納品後8日以上経過した場合

② 納品後8日以内に返金の要求があったが通販サイトに返品不可と記載されていた場合で、かつ、商品に不良がない場合

③ 商品に不良があったが、契約を解除される前に良品を送ることで対応した場合

しつこいメールや電話でのクレーム

通販のクレームの中には、しつこくメールで質問を続けたり、長時間電話で拘束したりするタイプのものもあります。

必要な謝罪や説明をした後も、しつこいメールや長時間の電話が続く場合は、タイミングを見て「先日ご説明した通りで、改めてご説明することはありません。」という態度に切り替えることが必要です。

当事務所でのサポート

通販のクレーム対応に関するご相談

クレーム対応にお困りの会社からご相談いただくケースは、多くが対応方法を誤っており、自社で対応を続けてもクレームを解決することができないと思われるケースがほとんどです。

クレーム対応にお困りの場合は、自社で誤った対応をする前に弁護士にご相談ください。

また、顧問契約を締結していただくと、日々、現場のスタッフからクレームの対応について顧問弁護士に電話で直接ご相談いただくことが可能です。

顧問弁護士への相談により、正しい対応をすることができるようになり、スタッフの精神的な負担を大きく軽減し、スタッフの定着、離職の防止につながります。

弁護士によるクレーム対応の代行

当事務所では、自社での解決が困難なクレームについて、通販業者に代わり弁護士によるクレーム対応を代行するサービスも提供しています。

クレーム対応に精通した弁護士が直接、購入者に対応することにより、現場のスタッフの負担を軽減し、迅速な解決を実現します。

クレーム対応マニュアルの作成

典型的なクレームについてどのように対応するかを予め決めておくことも重要です。

例えば、「謝罪に来い」とか「社長を出せ」とか「誠意を見せろ」といったクレームに対してどのように対応するかについてはあらかじめ決めておくべきです。

当事務所では、企業のクレーム対応マニュアルの作成をサポートし、実践的なマニュアルを作成します。

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Last Updated on 7月 19, 2024 by kigyo-kumatalaw

この記事の執筆者:熊田佳弘

私たちを取り巻く環境は日々変化を続けており、様々な法的リスクがあります。トラブルの主な原因となる人と人の関係は多種多様で、どれ一つ同じものはなく、同じ解決はできません。当事務所では、まず、依頼者の皆様を温かくお迎えして、客観的事実や心情をお聞きし、紛争の本質を理解するのが最適な解決につながると考えています。どんなに困難な事件でも必ず解決して明るい未来を築くことができると確信し、依頼者の皆様に最大の利益を獲得して頂くことを目標としています。企業がかかえる問題から、個人に関する問題まで、広く対応しています。早い段階で弁護士に相談することはとても重要なことだと考えています。お気軽にご相談にお越しください。

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