【解決事例】医療法人における退職勧奨

1 依頼者の概要

  業種 医療法人

  地区 九州地区

  従業員 約130名

  病院の他、複数の施設を運営

2 事案

(1) 対象となった問題社員

   理事長に次ぐ№2の地位にある事務長

   約5年間事務長職にある。

(2) 問題行動

 ア 当該事務長は、複数の事務職員に対し、非常に高圧的な発言を繰り返した。

 イ 夜勤なしの条件で採用した看護師Aに対して、夜勤を行うように指示をし、夜勤を強要した。その後、同看護師は、自己都合により退職した。

 ウ 事務職員Bが、当該事務長に対して、待遇や労働条件のことで当該事務長に相談したところ、「納得できないなら辞めて頂いて結構です。」と退職するように指示した。その後、同事務職員は、自己都合により退職した。

 エ 当該事務長は、約10年勤務している看護師Cに対し、患者対応に問題があるとして、常勤からパートに変更した。さらに、当該事務長は独自の理想や理念を強く強要した。しかし、看護師Cの問題対応は確認できなかった。

 オ 労働局から理事長に直接電話があり、労働局へ呼び出された。労働局の説明から、医療法人に対して、繰り返し書面が送付されていたが、当該事務長が理事長に報告していなかったことが発覚した。

 カ 業務のために外出すると偽って、そのまま自宅に帰ったり、家族で地域の祭りに行ったりすることを繰り返した。他の従業員から、指摘されたところ、当該事務長は「自分は管理監督者だから、勤務時間はフレックス。問題はない。」などと回答した。

3 経過

(1) 依頼者と打ち合わせをして、問題行動があまりにも多発しているため、退職勧奨を行う方針とした。

(2) 当該事務長の看護師や事務職員に対する発言について、可能な限り事実関係を調査して、報告書にまとめた。

(3) 労働局の担当官に電話をして、具体的な経過を確認した。

(4) 業務のために外出すると偽って外出することを繰り返していたため、調査会社に依頼して、行動を調査した。

(5) 上記の事実関係について当該事務長が否定できない程度に整理をした。その後、理事長同席のもとで、当該事務長と面談を行った。

   面談では、淡々と事実を摘示して確認を行ったところ、当該事務長は事実関係をいずれも認めた。

   その上で、当職より、退職勧奨を行った。

   当該事務長は、直ちに退職することに合意し、退職合意書に署名押印した。

4 担当弁護士のコメント

  顧問契約を締結いただいている医療法人に発生した問題でした。

  理事長に協力頂いて、事実関係の調査ができたため、退職勧奨が可能になった事案です。実際の面談では、感情的にならず、できるだけ淡々と事実関係を指摘し、「退職されませんか。」と伝えたことで、一度の面談で退職の合意に至ったと考えられます。

Last Updated on 8月 20, 2026 by kigyo-kumatalaw

この記事の執筆者:熊田佳弘

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